これで PRML も怖くない!「パターン認識と機械学習の学習」
先日 @takesako さんより「パターン認識と機械学習の学習 ベイズ理論に挫折しないための数学」を献本していただきました!1どうもありがとうございます。
【PRML同人誌】パターン認識と機械学習の学習 ベイズ理論に挫折しないための数学 (光成 滋生 著)
どういう本かというと、みなさんご存知「パターン認識と機械学習」(通称「PRML」、「ぷるむる」)を読み解くのに大変役立つ本です。
PRML では式展開が自明のものとして省略されていたり、演習問題に回されていたりする箇所がけっこうあります。そのような箇所を丁寧に式展開して解説しているのが本書です。
私自身、よほど難しそうでない限りはこまめに式展開して確認するタイプなので、そのような人には非常にありがたい本ですね。2
目次は次のとおりです。
- 第1章 「序論」のための確率用語
- 第2章 「確率分布」のための数学
- 第3章 「線形回帰モデル」のための数学
- 第4章 「線形識別モデル」のための数学
- 第9章 「混合モデルと EM」の数式の補足
- 第10章「近似推論法」の数式の補足
- 第11章「サンプリング法」のための物理学
内容は著者の光成さんが GitHub で公開しているものに、第1章の『「序論」のための確率用語』と第11章の『「サンプリング法」のための物理学』が加わった感じです。3
第1章は測度論的な観点から「確率変数は写像である」ということを解説していて、測度論の知識が皆無な私は「1.1.3 確率変数 X」を読んでも意味不明で泣きそうになりましたが、1.1.3を理解できなくても「確率変数は写像である」という結論部分は理解できた気がしたのでおもしろかったです。ちなみに、あとの章には影響がないので読み飛ばしても問題ありません。
第2章~第10章は、非常に丁寧にわかりやすく解説してあるので、初歩的な線形代数の知識があれば、PRML を読んでもよくわからなかった部分でも理解できることと思います。
第11章は PRML の「11.5.1 力学系」を物理学的な観点から別の解説をしています。
そんなわけで、PRML をしっかり理解したい人にはオススメの1冊です!
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