サクッと統計の初歩の初歩が学べる「とある弁当屋の統計技師(データサイエンティスト)」

20140209004719
今更ながら、昨年の 9 月にご恵投いただいた「とある弁当屋の統計技師(データサイエンティスト) ―データ分析のはじめかた―」を拝読しました。
石田先生ありがとうございます。そして読むのが遅くなってすいません・・・

というわけで、書評的な何かです。

ざっくりとした内容とか感想とか

著者は R 界隈の方はご存知石田先生です。テキストマイニングや R 関連の本を数々執筆されており、(ほぼ?)全ての R の洋書の翻訳に携わっている方です。

本書では、とあるお弁当屋さんを担当する新米データサイエンティストが、お店のデータを使って統計の基礎的な内容を対話形式で説明していきます。
カバーしている内容は、四分位数、平均値、分散、相関、単回帰、重回帰、ロジスティック回帰、カイ二乗検定あたりです。
個人的には自由度の説明が割りとしっかりされていたのが良かったです。

帯には「統計の初歩の初歩を学べ!」とあるように、内容は基礎的なもので、数式も小・中学生でも理解できるようなものしか出てこないので、これから統計を学ぶ人にとってはスラスラ読めて良いきっかけになると思います。
普通の統計学の入門書であれば方法論の説明が最初にあって、おまけとして応用的な内容の説明があるんでしょうが、最初に抱えている課題があって、それに対して方法論の説明があるのも理解しやすいポイントだと思います。

ただ、内容自体は「ハンバーガー統計学にようこそ!」や「アイスクリーム統計学にようこそ!」を彷彿とさせるものがありました。これらを小説風にした感じでしょうか。
自分のように無味乾燥な人には本書よりハンバーガー統計学やアイスクリーム統計学をお勧めします。
人物描写とかも楽しみたい人、あるいは勉強にすぐ飽きてしまって 1 冊なかなか読み切れない人にとってはストーリー性もある本書の方が読みやすいかもしれません。
あとは「マンガでわかる統計学」とどちらの方が読みやすいか気になるところですね。(読んだことないんで・・・)

とても残念だったのが、縦書なので、数字や数式の表記が不自然です。これ、読みにくくて辛かったんですが何とかならないものなんですかね・・・

というわけでまとめ

  • 「とある弁当屋の統計技師(データサイエンティスト)」はサクッと統計の初歩の初歩が学べる本
  • 「ハンバーガー統計学」や「アイスクリーム統計学」を読み切れる人には不要かも

P.S. 最近続編が出たようですね